情報メディア学会: Japanese Society for Information and Media Studies
更新日[2021.09.21]

お問合せ サイトマップ 更新履歴
学会ホーム > 研究大会報告 > 第20回研究大会

第20回 研究大会 が開催されました new

■ 大会開催報告

 2021年6月26日(土)に、情報メディア学会第20回研究大会をオンライン開催しました。前年度に引き続き、新型コロナウイルス感染を考慮し、オンラインのみでの開催となりました。今年度の研究大会は、創立20周年を記念した大会でもあり、学会の歴史と今後を考える二つのシンポジウムが行われました。

 内容の報告の前に、研究大会と創立について少し説明させていただくと、まず、学会の創立20周年は2020年度(昨年度)であり、今年度は厳密には創立21周年となります。一方で今回の研究大会が20回であるのは、毎年一回の研究大会が恒例となるまでには、創立より2〜3年を要したためです。

 今年度大会の総合司会は日向良和理事が執り行い、植村八潮会長による開会挨拶により開会されました。

 午前のシンポジウム「学会の設立と発展を振り返る」では、植村八潮会員(シンポジウムでは、全員を会員とお呼びすることにしたため、シンポジウム報告においても「会員」と呼ばせていただきます。)により司会が行われました。

 まず、小野寺夏生会員より「学会の設立と発展を振り返る」報告をいただきました。小野寺会員の報告では、会員にとって普段は伺う機会の少ないであろう学会設立までのお話しを伺うことができました。その他、主な事業の推移として研究大会や研究会に関すること、また、興味深い話として、査読系に査読結果の公表を含めるという議論があったことなどの報告をいただきました。

 次に、長塚隆会員による「学会の過去のホームページから活動を振り返る」報告をいただきました。長塚会員の報告は、WayBack Machineのアーカイブ調査によるもので、理事・役員のメンバーの入れ替わりがよくわかるものでした。すでにご逝去された方もおり、感慨深さと同時に少し悲しさを感じる報告でもありました。

 次に、中山伸一会員による「学会事務局を担当して」と題する報告をいただきました。中山会員の報告は、普段は深く考えることが少ないであろう学会費の意義などに触れ、学会の機能(研究会、学会誌発行など)ごとに支出と収入の観点で考察するといった、独特の「研究発表」とも言うべきものでした。

 最後に、角田裕之会員による「現在の課題と将来の展望」の報告をいただきました。角田会員からは、かなり現実的な、学会が抱える問題点の報告をいただきました。特に投稿論文数の低調、学会参加者の固定化、理事や委員の固定化といったことを指摘されました。一方で創設からの状況を熟知している会員も多数であることが強みでもあると指摘され、20年史編纂の提案がなされました。

 その後、シンポジウム質疑応答からコミュニケーションタイムにかけ、活発な議論が行われました。

 午後のシンポジウム「図書館は何を<作れるか>」では、岡部晋典氏の導入に始まり、ヘルシンキ中央図書館の例などを引き合いに出しつつ、「メイカー」に係る話題から、パネリストの報告へと繋げられました。

 次に、増井尊久氏による報告では、増井氏の90館以上の訪問経験より、ものづくりの場としての図書館をご紹介いただきました。 ストックホルム公共図書館ラバ分館の年齢制限が設けられたものづくりスペースなどの公共図書館の例、および、メーカー・ハブとしての大学図書館などの報告をいただきました。話題は、アクセスと公平性にもおよび、最後にご自身の研究より「サービス拡張阻害ループ」の話題を提供いただきました。

 次に、有山裕美子氏による報告では、学校図書館における「学びの循環の創生」の話題を提供いただきました。この話題は特に有山氏の職場でもある軽井沢風越学園でのご経験からのものであり、臨場感のある報告となりました。「ファブ・スペース」にある3Dプリンターのようなハードがものを作る「場」であるように、学校図書館は学び方やスキルを作る「場」であるという、いわゆる「ものづくり」を超えた、「~つくり」の話題を、課題解決(を教える)という現場の視点から提供いただきました。

 質疑・コメントとしては、ICTと図書館機能のマッチについてやマイノリティ向けのメーカープログラムといった主題に触れました。

 その後、午前の部と同様に、質疑応答からコミュニケーションタイムにかけ、活発な議論が行われました。また、今回のシンポジウム(午前の部を含め)では、音声による質疑だけでなくチャットが大いに活用されたことも印象に残る一面となりました。

 ポスターライトニングトークおよびポスターディスカッションでは、以下の4題の発表をいただきました。敬称を略させていただきます。なお、ライトニングトークは順番制で行い、ポスター発表はブレイクアウトルームを使用して行われました。

  1. ロックダウン下における北米大学図書館の情報発信戦略:「COVID-19感染対策に留意した物理書籍の貸出」に関する広報活動を中心に; 小牧龍太(立教大学)
  2. 出版社はコロナにどう対応したか-現代ジャーナリズム研究機構調査をもとに; 村田咲月・植村八潮・野口武悟(専修大学)
  3. 大学生の読書記録・読書レビューに関する調査報告; 阿加井愛香(日本事務器株式会社)、渡辺哲成(日本事務器株式会社)、大塚光(日本事務器株式会社)、小磯麻佑子(日本事務器株式会社)
  4. 機械による情報の縮約可能性について; 松田裕幸(東京大学大学院学際情報学環学府 非常勤講師),天野晃(国立情報学研究所、国立研究開発法人物質・材料研究機構)

 投票による最優秀ポスター発表賞には、村田咲月氏・植村八潮氏・野口武悟氏(専修大学)による「出版社はコロナにどう対応したか-現代ジャーナリズム研究機構調査をもとに」が選出されました。閉会では、角田裕之理事による挨拶とポスター発表賞の受賞式が行われました。

 最後に、今回の研究大会と同時に開催予定であった理事会と総会は、総会が開催条件を満たさなかったことから、別日の開催となり、いずれも無事に終了したことを報告いたします。

■ プログラム概要

09:45

Zoom開場

10:00

開会挨拶

10:05

「学会の設立と発展を振り返る」シンポジウム

11:45

コミュニケーションタイム(登壇者との質疑応答も含む)

12:00

昼食

13:15

「図書館は何を<つくれるか>」シンポジウム

15:00

コミュニケーションタイム(登壇者との質疑応答も含む)

15:15

ポスターライトニングトーク

15:40

ポスターディスカッション

16:20

表彰式,閉会挨拶

■ 「学会の設立と発展を振り返る」シンポジウム

コーディネーター:小野寺夏生氏(筑波大学名誉教授)
パネリスト:
 長塚隆氏(鶴見大学名誉教授)
 中山伸一氏(筑波大学教授)
 角田裕之氏(鶴見大学教授)
進行:植村八潮氏(専修大学教授)

報告:予稿「学会の設立と発展を振り返る」
登壇者略歴
報告:スライド「学会の設立と発展を振り返る」
学会の設立と発展を振り返る
学会事務局を担当して
現在の課題と将来の展望

■ 「図書館は何を<つくれるか>」シンポジウム

コーディネーター:岡部晋典氏 (図書館総合研究所)
パネリスト:
 有山裕美子氏(軽井沢風越学園)
 増井尊久氏(丸善雄松堂株式会社)

シンポジウム要旨+登壇者略歴

■ ポスター発表

  1. ロックダウン下における北米大学図書館の情報発信戦略:「COVID-19感染対策に留意した物理書籍の貸出」に関する広報活動を中心に
    小牧龍太(立教大学)
  2. 出版社はコロナにどう対応したか-現代ジャーナリズム研究機構調査をもとに
    村田咲月・植村八潮・野口武悟(専修大学)
  3. 大学生の読書記録・読書レビューに関する調査報告
    阿加井愛香(日本事務器株式会社)、渡辺哲成(日本事務器株式会社)、大塚光(日本事務器株式会社)、小磯麻佑子(日本事務器株式会社)
  4. 機械による情報の縮約可能性について
    松田裕幸(東京大学大学院学際情報学環学府 非常勤講師),天野晃(国立情報学研究所、国立研究開発法人物質・材料研究機構)

* 発表資料について

第20回研究大会のポスター発表予稿集原稿は本ウェブページで公開をしています.

■ おわりに

 この大会の企画と準備は,以下の会員をメンバーとする大会企画委員会が中心となって行われました.これらの方々の多大のご尽力に感謝致します.

[大会企画委員会]
 委員長 千  錫烈 関東学院大学
 委員  天野  晃 国立情報学研究所
 委員  石川 敬史 十文字学園女子大学
 委員  岡部 晋典 図書館総合研究所
 委員  佐藤  翔 同志社大学
 委員  下山佳那子 八洲学園大学
 委員  新藤  透 國學院大學
 委員  富田 美加 茨城県立医療大学
 委員  長谷川幸代 跡見学園女子大学
 委員  日向 良和 都留文科大学