情報メディア学会: Japanese Society for Information and Media Studies
更新日[2016.03.14]

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第17回研究会を開催

 2015年11月28日(土),東京医科大学病院において,合計32名の参加者のもとに,第17回研究会を開催しました.

 すべての発表が終了した後,聴衆による投票を実施した結果,高岡健吾氏,松井進氏,野口武悟氏,植村八潮氏による「タブレット端末用OSにおける各種アプリケーションのアクセシビリティ:実証的検討を通して」が最優秀発表賞に選ばれました。

 当日の参加者に配布した発表要旨『第17回研究会発表資料』には若干の残部がございますので,ご希望される方は事務局にご連絡ください.請求書(500円+送料180円)を同封して郵送いたします.

■ 研究会開催概要

日時:2015年11月28日(土)13:00〜17:00

会場:東京医科大学病院 第1研究教育棟第1講堂

           【 会員による一般発表 】

  1. 学校図書館における電子書籍導入をめぐる現状と意識:全国の小・中・高校を対象としたアンケート調査の結果から
    ◯植村八潮(専修大学)
     野口武悟(専修大学)
     西澤優花(専修大学)

  2. 美少年と自己犠牲:日本と中国戦争映画における「悲壮なヒーロー」の比較
    ◯趙ロ(静岡大学)

  3. タブレット端末用OSにおける各種アプリケーションのアクセシビリティ:実証的検討を通して
    ◯高岡健吾(株式会社インハウスDS)
     松井進(千葉県立西部図書館)
     野口武悟(専修大学)
     植村八潮(専修大学)

  4. 曜日・時期・天気からみたラーニングコモンズの開かれたディスカッションスペースとしての利用状況の分析
    ◯井規子(筑波大学)
     中山伸一(筑波大学)

  5. 協調学習のためのタイムラインシステムの構築:リアルタイムコミュニケーションの可視化と構造化の観点から
    ◯河井延晃(実践女子大学)
     池田徳正(帝京大学)

  6. 八王子におけるデジタルサイネージを活用したICTまちづくりの研究
    ◯村井健太(東京工科大学院)

  7. 基礎情報学/ネオサイバネティクス的システムの作動様態と変態の図表
    ◯原島大輔(聖学院大学)

  8. フランスの学校における情報活用教育:情報活用能力認定証B2iについて
    ◯須永和之(國學院大學)

■ 最優秀発表賞

■ 最優秀発表賞 受賞者インタビュー new

研究発表者を代表して高岡謙吾さんにインタビューをいたしました。受賞の声をお聞きください。

Q1. 受賞の感想をお聞かせ下さい

最優秀発表賞をいただけたこと、たいへん光栄に思っています。この発表は、ともに街を歩きながら実証実験や研究を進めた視覚障害当事者の松井進さん、大学内にアクセシビリティ研究会という場を設け、さまざまな指導をしてくださった専修大学の野口武悟先生、植村八潮先生をはじめ、研究会参加者の方々からのアドバイスや励ましなしではありえず、関係者全員の協力で受賞できたものと感じています。

Q2. 研究テーマの選定理由を教えてください

今回の発表のテーマは、障害者の自立に貢献できるモバイル端末のアプリのアクセシビリティの現状を一度整理してみようというものです。参加させてもらっている専修大学の「電子書籍アクセシビリティ研究会」での検討中のテーマの一つとして、昨年秋までの経緯をまとめた形です。調査としてはまだまだこれからという段階の内容ではありますが、障害者差別解消法の施行を目前にして意義のある内容ではないかと考え選定しました。

Q3. 発表の準備などで苦労した点や工夫した点を教えてください

初参加の学会での発表ということもあり当日はとても緊張しましたが、研究の背景については自分の経験したことを、丁寧に話をするように心がけました。つまり、私自身そうだったのですが、障害者の視点については、わかっているようでいて、気づいていないことがとても多いということです。そうした普段気づかずに過ごしてしまうことを、障害当事者との実証実験の様子を短い映像でご覧いただくなど、できるだけリアルに距離感を縮めるための工夫をしてみました。

Q4. 受賞を受けて、周囲の方々の反応はいかがでしたか

閉会後の晩、大学に戻って2015年最後のアクセシビリティ研究会があったのですが、そこで研究に参加してきた方々からたいへん祝福いただきました。「アクセシビリティというテーマで受賞できたことは、とても意義深い」といわれた教授の言葉も印象的で、受賞できてよかったと感じました。こうした賞があるということは、研究者本人のモチベーションになるだけでなく、対外的にテーマの意義を理解してもらうのにも有効だと思います。

Q5. 今後の目標などありましたらば、教えてください

本テーマの研究はまだ始まったばかりで、発表の中で紹介したアプリケーションの情報共有サイトもまだ至らない部分が多く、障害当事者の方からの意見もうかがいながら、現在も少しずつ改善を進めています。当面の目標としては、このサイトの精度を高め、もちろんアクセシビリティにも配慮しながら、障害者の方々に有効な情報を届けるために必要な要素やプロセスの整理を続けたいと考えています。